探偵の尾行調査と内偵調査

探偵が実施する調査には調査対象者を追跡尾行、張り込みなどをして調査する「尾行調査」と調査対象者以外の第三者から情報を得たり、様々なデータを検索していく「内偵調査」に大別されています。

尾行調査

尾行調査とは調査対象者の後を追跡しその行動状況をこまめにチェックしていきます。

すると自ずから対象者の行動が見えてきます。

結果、依頼人である貴方が気になっている対象者の行動状況を把握することが出来るのです。

尾行調査は基本、時間料金として対象者の行動によって1日1日の調査料金が異なってきます。

尾行調査にはいくつかのカテゴリーがあります。

①浮気調査・不倫調査

恋人や配偶者の行動を尾行、追跡し浮気や不倫の実態を把握するための調査で探偵に調査依頼される尾行調査の代表的な調査です。

特に配偶者の浮気、不倫の実態を掌握しその不倫の証拠を集めていく事を目的とした尾行調査で「浮気調査」「不倫調査」等とも呼ばれています。

不倫疑惑のある配偶者の生活環境、勤務先状況などによって当然、調査時間が全て異なってきます。

勤めのある人は通常、退勤後の行動をチェックしていきますが、会社・店舗経営者やセールスなどの営業社員ですと、昼間・外勤中での密会というケースもあります。

専業主婦は昼間の密会も多く、朝から夕方の時間帯の調査となります。

②素行調査

浮気や不倫もこの素行調査のひとつではありますがそれ以外の素行調査を考えてみます。

「社員の素行調査」とは社員の背信行為を確認する事を目的に指定された社員の行動をチェックしていきます。

背信行為と一概に言っても様々でサボリの実態から顧客情報などの流出、ライバル企業との接触における機密情報の提供などを素行調査で確認していき、時には飲食店などへも潜入し会話の盗聴など、特殊調査も併用して尾行調査を実施していき、背信行為の実態を突き止めます。

③勤務先調査

指定人物の自宅から尾行していき勤務先を特定する調査です。

この勤務先調査を利用する人の多くは養育費、慰謝料、借入金などの滞納者に対して法的に給料の差押えをする為の調査です。

中には民事裁判上、必要とされ実施する事もあります。

また人によっては結婚詐欺師など勤務先を詐称している人物もおり、その事実確認をする上でというケースもあります。

昼間の勤務の人であれば通常、2,3時間の調査で勤務先を特定する事は可能ですが職種によってはシフトによって出勤時間が大きく異なっていたり、調査日に休みというケースもあります。

また対象者の交通手段によっても異なってきますので1日で勤務先を特定できるとは思わないで下さい。

④住所調査

特定人物の居住先、自宅を特定する尾行調査で御依頼者と接触した後、勤務先から退勤後などに追跡尾行して住所を特定していきます。

金品の貸借、売買トラブルでの住所確認、交際中に相手でも住所を明確にしない人の特定、配偶者や恋人の浮気相手の人物を特定する事から対象者を尾行して住所を特定する住所調査で、民事裁判での資料蒐集のひとつとしてよく利用されています。

ただこの住所調査は犯罪に利用されるケースもあり、依頼を受ける探偵側も依頼人に対し調査理由を確認しその理由に詐称がないことも見極めなくてはなりません。

元配偶者や元恋人、第三者などがストーカー化して現在の住所や転居先を知りたいと理由を詐称して探偵事務所などを利用してくる場合もあるので契約時に誓約書を書く必要があります。

⑤ストーカー対策

この調査はストーカー被害に遭われている依頼人並びに親族を離れて尾行することで待ち伏せ行為、付きまとい行為などをしてくるストーカーを特定、そのストーカー行為を画像に収め、証拠として提供する為の尾行調査です。

ストーカー問題については警察でも相談は出来ますが余程、身体的や生命の危険を感じてくれない限り、率先して捜査はしてくれません。

これは警察を非難している訳ではなく、それだけストーカー被害者は多く、また被害妄想的な相談者もいるのです。

でも警察に何度か相談していても殺害されたという被害者は後を絶たず、ご存じの通り毎年、ニュースでも取り上げられています。

待ち伏せ、付きまといをしているストーカーはいつ豹変するかもしれません。そんな時、探偵事務所の尾行調査によるストーカー対策をご活用下さい。

内偵調査

内偵調査とは個人、法人に対して第三者からの情報を得る為に聞き込みなどをしたり、様々なデータ情報を集め、その信憑性をも裏付けして依頼人の希望する調査にあった情報を提供していく調査です。

尾行調査同様、いろいろなカテゴリーに分類されます。

内偵調査においては所在調査の成功報酬制を除き、基本、設定料金での調査料金となります。

①結婚調査

誰かがある人の事を近所に聞き込みをしていると聞くと誰も探偵が結婚に関する調査か就職の事で調べに来たと思われる程に内偵調査の中でも著名な調査でそれこそ古くから請け負ってきた代表的な身上調査業務です。

結婚調査では対象者の現住所ばかりでなく、可能な限り前住所など以前の住所を調べ上げ、その近隣からも対象者やその親族についての様々な情報を内偵調査によって調べ上げていきます。

調査内容には対象者の学職歴などの履歴、性格面、素行面、資産状況、健康状態から対象者の親族に関する事項などを調べていきます。

結果、依頼人が思う配偶者の適正に合う人物であるかの選択の参考資料となる報告書を提出されます。

②採用調査

調査業界では結婚調査同様、古くからある調査で雇用調査とも呼ばれ、採用の際の身上調査となります。

特に最近では中途採用の際の判断材料として利用される企業が増えてきています。

当然、対象者は履歴書など自身に対する資料を提供してきますがその記述内容に詐称する人物もおり、詐称の有無を確認するばかりでなく、適正な人物であるかを調査していきます。

③所在調査

所在調査と一概に言っても家出人の捜索からお世話になった人探し、トラブルなど何らかの事情により行方を眩ました人などの現在の居住先を探し出す調査です。

ある種、家出調査とか人探しは聞き込みによる内偵調査の粋とも言えるものでどれだけ多くの人を聞き込み、様々な情報が得られるかによって結果が大きく変わってしまう調査になります。

また家出調査の場合、緊急性を要する場合もありますのでなるべく早めにご相談したほうがいいかもしれません。

尚、前述したようにこの所在調査の料金体系は基本、着手金プラス成功報酬という成功報酬制となっています。

④身上調査

上記の結婚調査、採用調査も身上調査になりますが、人物の身上を調査するこの調査では身辺調査や結婚詐欺調査等にも応用されています。

⑤データ調査

現状、ネット上にて多くの個人情報が溢れている時代です。

ただし検索ワードによっても情報量が異なったりしますので、いかに多くのワードでヒットした内容を閲覧し的確な情報を見つけ出していかなければなりません。

この作業は意外にも時間がかかる場合があり、素人では難しい作業かもしれません。

また探偵であるからこそ入手可能な同窓会名簿、会員名簿、社員名簿、町内会名簿などの各種名簿から企業、店舗などから流出した個人データからも様々な情報が得られます。

これらの情報から依頼人が希望する調査対象者に関する情報を得ていくのがデータ調査です。

当然、各種内偵調査に併用されている調査ですが、いかに多くの出まわった情報を広く検索することが出来るかが探偵の資質の部分でもあるのです。